無料で見学できる市内最古の邸宅

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4月のとあるお天気の良い日、米谷にある『旧和田家住宅』へ行ってみました。実はコミパスタッフ、前を通ったことは何度もあったのですが、気になりつつも中へ入ったことがなかったのです。

事前に知っていたのは、とっても古いお家が現在「宝塚市立民俗資料館」として無料で公開されているということ…ぐらい…という、ほぼ無知のままでお邪魔しました。

旧有馬街道沿いにあるその建物、「開館中」との文字がありましたが、ひっそりと静かながら重厚感ある立派な佇まい…少しドキドキしながら中へ入ってみました。

入ってすぐの壁に解説文の案内板がありました。
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なるほど、こちらの建物は平成8年に市の有形文化財に指定され、宝塚市に寄贈されたということのようです。開館したのが平成11年のようですね。

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足を進めると広い土間があります。少しひんやりとした土間と繋がっている部屋のふすまなどが開け放たれているので、お庭の方からも風が吹き抜けていき、とっても気持ちいい~!

と心地よさに浸っていると、「こんにちは~」とお声がけいただきました。こちらには案内人の方が常駐されていらっしゃるそうで、建物を案内してくださるんです。

建物自体は300年ほど前、江戸時代中期のもので、宝塚市内で現存する最古の邸宅となるんだそう。歴史的にも貴重な建物ですが、家の中にも上がらせてもらえます。ありがたいですね~!

建物の中にはたくさんの「へ~!」が

こちらにお住まいだった和田家は、農家の年貢を集めたり、村民同士の争いをいさめたりする村の長のような役割を担う庄屋さんを代々つとめてこられたのだそうです。

座敷に上がると、いきなり「上を見てみてください」と教えていただいたのがコレ!
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庄屋さんのお宅に、なぜこのような物騒な(でも、かっこいい…)長刀などがあるのでしょうか?

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そしてその隣の部屋には、こちらも上の方に何か不思議な…棚?というか、不思議なかたちのものが設置されています。

…通常の記事なら、ここで「こうこうこういう理由なんだそうです!」と続くのですが、今回はコミパスタッフが案内人の方に教えていただいた中から「面白い!」「そうなんだ~!」という「へ~!」ポイントの解説を敢えて記事内ではお伝えしません(笑)!ぜひぜひ、気になった方はこちらへ足を運んで、確かめてみてくださいね♪

タカラジェンヌも撮影した角屋座敷

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まずご案内いただいたのが「角屋(つのや)座敷」!庄屋さんなので、お偉い方などをお通しする応接間みたいな、他の部屋よりもいろいろと良いしつらえのお部屋なんです。

確かにお庭に二面が面していて部屋の中もとても明るいし、床の間や欄間も小粋なあしらいです。ふすまのデザインも他の部屋にはない“高台寺桐”という文様でしつらえられています。明らかに「お客様用のお部屋」といったよそゆきの雰囲気。

そして第二の謎!実はこのお部屋で撮影をされた元タカラジェンヌの方がいらっしゃいます。どなたでしょうか? お部屋にはその時の写真も飾られていて、とってもかっこいいお写真に仕上がっていましたよ!

お伺いしてみると、一般の方でも成人式の方やコスプレイヤーの方などが、この建物で撮影されたりしているんだそう!もちろん事前にお願いして、素敵な写真をこの歴史的な建物で撮影するのもいいですね。

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お部屋から臨めるお庭はとてもきれいに手入れされています。今回お邪魔した時には青々とした新緑が美しかったのですが、クチナシや紫陽花、5月には菖蒲もきれいに咲くのだそうですよ。

と、ここで隣のお部屋に気になるものを見つけました。
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なんともレトロ感のあるオルガン!味のある木の風合いに、可愛らしいデザインの彫り物が施されていて、なんとも絵になる風貌です♪

数年前にペダルが故障してしまい、今は弾くことが叶わないそうなのですが、このビジュアルだけでも素敵でうっとりしてしまいますね。

ここで第三の謎! このオルガン、いったいいつ頃のものなのでしょうか? 数年前まで現役選手として弾くことができていたのなら、比較的最近のもの? でもこの風合いには歴史も感じますよね~?

台所やお風呂も必見ポイント!

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そして他のお部屋も見せていただきました。こちらは実際に居住空間だったお部屋。そしてこの手前のお部屋も他のお部屋にはないしつらえがあります。

というのも、こちらは庄屋さんとしてのお仕事をする部屋だったそう。つまり…盗っ人のような輩たちが目掛けてくるものがたくさんあったわけです。

そこで、この部屋はセキュリティ万全!特別な木製の引き戸がしつらえてあったり、その戸には鍵もかけられるようになっていました(この鍵も面白い仕掛けのようになっているので見どころですよ!)。

そして第四の謎! 実はこのお部屋、他の部屋よりも天井が低くなっています。それはなぜでしょうか?…この理由にはコミパスタッフ思わず「おおー!そうか、なるほど!」と膝を打ちました。

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隣の部屋の正面には衣裳蔵があります。家の中には収納スペースがほとんどないため、毎日の着物やお布団もこちらから運んでいたんだそう。部屋から蔵まで数歩ではありますが、毎日となるとけっこう大変ですね!

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こちらはお台所。昭和34年にリフォームされたそうで、立派な水屋(食器棚)や、味のあるタイル張りなどはコミパスタッフでも少し懐かしさを覚えます。

といっても、家の構造は昔のものです。この写真で見ると正面上部に、少し深い色の四角い部分がありますね。これは、実は土間の上にある屋根裏に続いているんだそう。

そこで謎が登場! この屋根裏、どんな風に使っていたのでしょうか? コミパスタッフは「え?ここにですか?」と説明を聞き直してしまいましたよ~。

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台所から土間へおりたところに、窓から覗けるお部屋?空間?があります。何かと思ったら… お風呂!しかも浴槽?が、五右衛門風呂ですよ!さすがのコミパスタッフも入ったことがないので、興味津々!

そのままでは浴槽?が熱いので、壁に立てかけられている丸い板を底に敷いてお湯の中に入るんだそう。ちょっと入り方が難しそうですね。

見どころ満載の貴重な歴史的建物

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庄屋さんのお宅だったこともあり、こちらのお宅には歴史的にもとっても貴重な古文書が約4000点もあったそうです。こちらを土間で一部展示されているほか、解読した「源右衛門蔵(げんよみくら)」も揃えられていますよ。

見どころが多すぎる『旧和田家住宅』。いろいろな質問にも丁寧に答えていただき、面白い話をお聞きしながらじっくりと見せていただいたのでコミパスタッフは1時間半も居座ってしまいました(笑)。

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そして、そのなかでとっても驚いたことがあります。こちらは約30年前の阪神・淡路大震災で半壊してしまい、その後に修理・保全を行って開館に至ったそうなのですが…実は地震前まで、自宅としてここに実際にお住まいだったそうです!

こんな素敵な古民家に?!と羨ましく思いましたが、同時にもちろんエアコンなどもなく、そしてお風呂も五右衛門風呂でしたけど?!…大変そう!とも…。

しかし、新しい家に建て直しなどをされなかったからこそ、この歴史的な建物に今触れられているんですよね…本当に感謝です。

現在は見学だけでなく、落語会やお茶会などのイベントも行われているそうですよ。

たくさんの謎、気になる~という方はぜひ気軽に足を運んでみてくださいね。面白い発見がたくさんありますよ! ちなみにこちらは今年度から開館日が土曜と日曜のみになっていますので、ご注意ください。

資料館のリーフレットと一緒に周辺地図の小浜宿案内図もいただきましたので、載せておきますね!
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以上、宝塚の情報を発信する宝塚コミパ通信KAでした!

宝塚市立歴史民俗資料館 旧和田家住宅
兵庫県宝塚市米谷1-8-25
0797-86-2752
10:00~15:00
(月)~(金)、年末年始、館内整理日休館
無料
宝塚市HP (参考ページ)